山廃ひやおろし

「末廣山廃ひやおろし」を呑んだ。
酒蔵の末廣は会津若松市内、JRの駅からもさほど遠くない土地にある。近隣には榮川酒造、「中将」で最近有名な鶴乃江酒造や宮泉銘醸、喜多方には会津誉の酒蔵もあり全国的な酒の町だ。
近年…と云っても、この世界においては久しい話しでもあるが、ラベルに銘されるようになった「山廃」と「ひやおろし」、いままで聞いた事はあっても呑む専門で意味も考えた事はなかったが、山廃と銘する酒にコクのある旨い酒が多いな、と思った事で調べてみた。
酒造りのひとつ、生酛作りにあって米を水と合わせ融米する過程が、近代に機械化され人力を必要としなくなった事。合わせてその行程に必須の酒母の特性から山廃仕込にアミノ酸が多く含まれ、それがコクと旨味に通ずると云う事だ。
新米収穫の後、秋から冬に醸造され夏前に出荷されるのが新酒とされ、「ひやおろとし」は低温を保った蔵で熟成され秋口に瓶詰め出荷されたものだ。高温を避け瓶詰めされている事から、加熱殺菌処理されず「冷たいまま」なため「ひやおろし」と称される。
それ故、新酒のような香りとひと夏越したゆえの熟成感が特徴となり旨い酒の指標ともなるようだ。
で、呑んだ感想。雑味はあるが気になるほどではない。純米ゆえのまったり感? のどの奥の方に旨味が残るような酒だ。
昨今、流行のように作られた純米酒と違い、水っぽさは皆無でいかにも古くからの日本酒然とした風味は、冷やから燗酒まで幅広く合いそうだ。
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