うな鐵

ちょっと前、まだ先月のうち、いつもの仲間の飲み会があった。
新宿か池袋、たまに錦糸町の方の店で飲兵衛どもが不定期に集まる。前回は錦糸町の「やいた」、その前が新宿の「樽一」だったか? 今回は池袋の「うな鐵」がその舞台だ。
うな鐵と云えば、浅草のいかにもグルメ番組にも出てきそうな本店は有名かと思うが都内に何軒も支店がある。現在では無くなってしまった高田馬場店の店長が異動したのが池袋北口からすぐのこの支店。高田馬場店は広いワンフロアにだーっと座敷があったので10人以上の飲み会は楽勝!! 30?40人でも大丈夫だったか…厨房が大変だろうけどね。池袋店は細長いしちょっとフロアの狭い2階分。今のメンバー数ではちょっと辛いかな?
土用に近い日付だったので、鰻は旬なのだが鰻そのものが旨い時期と云うわけではない。それはそれとして、鰻専門店なので、注文はうなぎ中心…と云うよりはオンパレードになりがち。刺身や焼き鳥もあるが、時間帯や季節によっては切れている事もある。
「うな鐵」は何度も利用した事があり、旨い事は分かっているが、個人的に日本酒と鰻の相性はいまいち…連続で食すと鰻はちょっと脂が強ぎ飽きてしまう。
そうした時に、箸休め的なあっさりメニューがもっとあれば。そう思える。
それでも、魚類の中でもビタミン、ミネラル系の含有が多いはずの鰻は夏場の友だし、今後の利用が減るわけでもない。他のお客さんたちがどうかはともかく、今後はあまり腹減り状態でバクバク食べないようにすれば良し。
二次会というわけではないが「博多餃子」と云う名に引かれ入った、うな鐵並びの餃子専門店。
「これはタレで、こちらは塩で」と説明受けても、はっきり言って、餡の味付けが濃すぎて何も付けずそのまま食べるのがちょうど良し。
濃すぎる味付けが本場と同じとしても、博多餃子専門と云うほどには旨くなかったのが正直な感想。池袋で餃子が食べたくなっても、次回以降は迷わず王将やマンシュウを探す。「不味かった」わけでもないので、後を濁したわけでもないけどね。
澤乃井

封を開けたら、日数をかけずに飲みきるのが蒸留酒以外の酒の鉄則だ。
今回も、前の酒を飲みきった翌日にスーパーの棚から買い求めた。
澤乃井と云えば、東京都の地酒? JR青梅線の沢井駅近く、小沢酒造の名品。東京に住んでいると、酒飲みならばかなり若い年代から手にした事があるかも。
鉄道を使えば、乗り換えがあっても都内のどこからでも日帰りハイキング気分で行ける土地だが、いまだ未訪問。酒は好きでも酒蔵はど?でもいい…そんな事もないが。
酒蔵に行けば、見学ができ仕込みに使用する湧水を飲む事が…もちろん酒の試飲も…できると聞いた事がある。
まっ、それはともかく、今回の「奥多摩湧水仕込」は価格で云ったら一番下のクラス。以前にも書いたが、このクラスの出来で酒蔵の実力が分かると云うもの。
その基準で行くと、澤乃井には底力を感じる。720mlで定価735円。100ml当り100円と云う値段は驚異と感じる。定着したと云って良い地酒ブームに乗って、地方の中小酒蔵が造る「純米」や「吟醸」と呼ばれる酒がいかにチープなものか!! この酒を飲めば一口で違いが分かる。
初めて澤乃井を口にして何年経つか? 最初の記憶は残っていないが、おそらく澤乃井は当時と変わらぬ旨さを保っている。
諏訪湖には毎年、花火見物で出かけている。諏訪の地酒に真澄があり、普段から贔屓にしているが、真澄でこのクラスを比べても比較にならない。真澄でも値段なりの酒でしかないのに、澤乃井は何も知らずに飲めば、おそらく吟醸以上のクラスと感じるだろう。
地方の酒蔵は、小さいところは家族経営。多くても三桁に届く従業員を揃えているところは少ないと思う。しかしだ、出せば売れる商売をしていては、数年間は経営が安定してもいずれあきられ元の木阿弥になる。寸暇を惜しんで、少しでも価格以上の酒を造ってもらいたい。
そう思う今日このごろなのだ。
澤乃井 本地酒

前回に続き、小沢酒造の澤乃井純米・本地酒を購入してみた。「奥多摩湧水仕込」が旨かったゆえだ。四合瓶で1100円ちょっと、リーズナブルな酒だがこれもなかなか力がある。
最近の日本酒ブームになる前は、純米酒と云えばこってり甘口の感もあったが、最近ではワインに例えられ、料理にあった酒が求められる。そんな中で、吟醸酒のように米を磨きすぎず米の滋養を残したさっぱりタイプの酒が増えた。この本地酒はそんな酒だ。
「奥多摩湧水仕込」もそうだったが、本地酒も水が良いせいか雑味が無く、磨きすぎない米の旨味が生きている。久しぶりに飲んだ地元の酒。なかなかやるなぁ
東京や大阪、横浜や名古屋など都市圏では専門店に行かずとも全国各地の酒が手に入るだろう。他の方達は分からないが、自分は「東京の酒は…」まずは水が悪い、環境が悪い、悪い悪いで旨い酒を造るのは難しいだろうと考えてしまう。よって、地元の酒を避け…(^_^;地方地方へと目線を向ける。でも、やはり地元に旨い酒はあるのだ。東京都下ならば「金婚」という銘柄もある。
あまり地方に目を向けずとも、地元に旨い酒蔵があるに違いない。
澤乃井の蔵元、小沢酒造は電車に乗ればピクニック気分の距離にある。気候が良くなった頃、酒蔵を訪れたい。そう思った。
ふるさと酒蔵「湖酔」

義弟が宮城土産に買って来てくれた。
宮城県の酒と云えば「浦霞」や「一ノ蔵」が有名だが、ふるさと酒蔵という名前は初めて聞く。酒蔵自体も、説明する時には「一ノ蔵のお隣」と言ってるらしいから、それだけ小さな酒蔵なんだろう。
「湖酔」は吟醸酒。この種類の酒特有のフルーティな味わいの華やかな酒だ。ふた口目以降、口に残る後味はその酒本来の持つ本来の味だと思う。そういった面で、この酒は雑味少なく、米を磨いて純粋に旨味だけを残した酒の味わいがある。
先に書いたように、小さな酒蔵なのだろうが、これだけ雑味の少ない旨い酒を造れるのは、酒蔵の人たちの美意識が素晴らしいのだろう。
昔から伝わる伝統的な製法を堅持し、奇をてらった事をしない。古今東西、酒造りに必要なのは蓄積されたノウハウのはずだ。その伝統を省略したり守れない酒蔵が多いように思える。
小さな酒蔵であるなら地元以外での入手は困難だろう。最近では、ネット通販と云う手もあるので、機会があればまた飲んでみたい。そう思う。
お台場ガンダム

昨日、お台場へ噂のガンダムを見に行って来た。
夏休み期間中の日曜日とあって、普段は極端には混まないゆりかもめの新橋駅も家族連れでごった返していた。公開以来しばらく立つので、多くはフジテレビのお台場合衆国のアトラクションへ向かう客のようだが、それでも乗降客の1/3くらいはガンダム目当てか?
曇っていたが、台風接近のせいか異常に蒸した天気のした台場駅からとことこ歩き、たどり着いた都立潮風公園の太陽の広場。以前はきれいな芝地だったろう広場のほぼ中央にガンダムは立っている。設定身長18mを1/1で再現してあると聞くが、あまり大きさを感じなかった。
世代的に、初代ガンダムをリアルタイムで見ているし、ガンダムのちょっと後のサンライズ作品ではスタッフとして仕事しているものにとって、ある意味感動し別の意味ではがっかりもした。聞くところによると、バンダイのプラモのMGないしはHGをベースにしたと云うから、大河原邦男氏デザインのTV版とはちょっと違う。確かに、昔見た設定書のガンダムより、全体的にほっそりとし頭も小さいように見える。人間といっしょで、昔よりスマートになったのか?
全体にスマートになったと云う事で、イメージの上で重量感を感じなかったのかもしれない。ただ、リアル指向がより強まったモデルをベースにした事によって、装甲パネルの分割ラインが入ったり、兵器特有の表面のステンシル等が実在感を醸し出してくれた。
いまはアニメ業界からは足を洗っているが、自分がたずさわる二次元世界のものが、このような実物大の立体物として再現される事は感慨無量でもある。
直下に立ち、見上げたガンダムよりもより感動したのが、ゆりかもめのひとつ先の駅から乗車し、車窓から見える公園の緑の向こうに上半身を見せるガンダム。お台場ガンダムを実在の機動戦士と一瞬の錯覚。木立の向こうにすっくと立つガンダムはいかにも動き出しそうだった。
次回40周年記念では、上半身・両腕が可動する、あるいは歩いてくれても良い。無理な事だとしても、そう期待している。